サメの話をしよう

サメの学びブログです。

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今日のサメ:オロシザメ

オロシザメ(Japanese Roughshark) - Oxynotus japonicus
ツノザメ目 Squaliformes
オロシザメ科 Oxynotidae
オロシザメ属 Oxynotus

オロシザメの概要

どんなサメ?

オロシザメ科オロシザメ属の、とても珍しいサメ。
日本近海での生息しか確認されておらず、捕獲例は数えられるほどしかありません。
オロシザメの仲間では、唯一北半球の太平洋に生息するサメでもあります。

特徴

名前の通り、他のサメに比べて、体の表面がおろしがねのように荒いのが特徴です。
背びれは大きく、棘があります。
棘や背びれ、その他の特徴で、他のオロシザメの仲間と区別できます。

オロシザメを詳しく知る

生態

詳しい生態はわかっていません。
何を食べるのかもわかっていないようです。

名前の由来

うろこが粗く、おろし金のようになっていることから名付けられています。
また、顔がタヌキに似ていたため、オロシタヌキという和名も候補に挙がっていたそうです。
ちょっとお蕎麦みたいでおいしそうな名前です。

捕獲例
??年 駿河湾戸田沖
水深225~270メートル。
1985年に日本魚類学会の学会誌、日本魚類学雑誌32(2)に発表された。
タイプ標本の個体が日本から得られ原記載産地となったため、Oxynotus japonicus と名付けられた。
1995年 相模湾江の島沖水深300m ミュージアムパーク茨城県自然博物館が標本として所蔵
2002年 駿河湾及び遠州灘 6個体が捕獲され、これを基に本種が再記載された
2006年 相模湾江の島沖水深300m ミュージアムパーク茨城県自然博物館が標本として所蔵
2008年 沖縄県伊江島 底刺網で捕獲
2011年4月18日 駿河湾伊豆半島西岸沖 神奈川県立生命の星・地球博物館に標本として所蔵されている
2011年3月20日 駿河湾 伊豆三津シーパラダイスにて1週間飼育
2014年3月2日 駿河湾 沼津港深海水族館にて9日間飼育
2016年4月16日 駿河湾 沼津港深海水族館にて1週間飼育
2016年 台湾
2017年3月11日 駿河湾 沼津港深海水族館にて16日間飼育(3/11-26)
2018年11月21日 駿河湾 あわしまマリンパークにて4日間飼育(11/21-24)
茨城県大洗町
国内での飼育記録
2011年3月20日 伊豆三津シーパラダイス 1週間
2014年3月2日 沼津港深海水族館 9日間
2016年4月16日 沼津港深海水族館 1週間
2017年3月11日 沼津港深海水族館 16日間(3/11-26)
2018年11月21日 あわしまマリンパーク 4日間(11/21-24)

リンクなど

オロシザメ来たる!!!! | 沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム公式ブログ
2014年3月の搬入時のブログです。

おったまげた肝ったま | 沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム公式ブログ
解剖写真あり。肝臓が大きいのが確認できます。

大興奮!!!|あわしまマリンパーク みんなの日記
2018年の搬入時のブログです。


過去に何度か展示実績があります。
運が良ければいつかは出会えるかもしれません。
www.numazu-deepsea.com


毎日新聞の記事。記事本文は有料ですが、写真が見られます。
mainichi.jp


参考にした文書

オロシザメ - Wikipedia
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今日のサメ:アラメヘラザメ

アラメヘラザメ(Stout Catshark/Fedorov's catshark) - Apristurus fedorovi

メジロザメ目 Carcharhiniformes
ヘラザメ科 Pentanchidae
ヘラザメ属 Apristurus


ヘラザメ科(*1) ヘラザメ属のサメの一種です。
現在までに、北日本(北海道および東北の太平洋側)で、雄16、雌13の標本しか捕獲されていない、極めて情報の少ない種です。
日本北部の固有の種の可能性があります。


ヘラザメ属の仲間の識別は困難であり、分類的にも特に混乱したサメ属のひとつとなっているそうです。
未発見の種も相当数いるのかもしれません。


アラメヘラザメの特徴は以下です。
・短くて広い吻
・らせん状の7~12のvalve
・上部labial furrows(*2)は下部と同等かそれより短い
・連続的な眼窩上感覚管(? 直訳です)

(以下原文)
a short, wide snout (prenarial length < 6% TL);
7 to 12 valves in the spiral intestine;
upper labial furrows subequal to, or shorter than the lower furrows;
a continuous supraorbital sensory canal.


東北区水産研究所のおさかな写真館に記載がありました。
おさかな写真館|水産研究・教育機構「東北区水産研究所」

特徴:頭部は縦扁する。第1背びれは腹びれの上にあり、臀びれは大きく、尾びれ下葉と接する。背びれに棘はなく、体は一様に黒褐色で、斑紋がない。深海性で、水深500m以深に生息する。全長70cmになる。生殖方法は卵生で、細長い殻に入った卵を一度に2個産む。

分布:銚子以北から北海道に太平洋岸に分布する。

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アラメヘラザメ(※写真をお借りしました。)


参考にした文書
Fedorov's catshark - Wikipedia
IUCN Red List of Threatened Species
http://tnfri.fra.affrc.go.jp/photo-fish/No.123.pdf



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※1 トラザメ科とされている文献もあります。新しくトラザメ科の一部がヘラザメ科となったのでしょうか? 詳しい方いらっしゃいましたらご教授ください。

※2 日本語訳がわかりませんでした。図の部分です。
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